■入居20年の住人が退去、リフォームはどうする?
先日20年以上入居されていたお部屋の退去がありました。オーナー様と一緒に室内を点検しましたが、汚損・破損などの状態もひどく、20年の時の経過を感じる光景でした。次の入居に向けて、オーナー様からは、「今風のリフォームを」というリクエストがあり、まずは水廻りの交換(ユニットバス・トイレ・キッチン)、床材の張替、壁紙クロスの張替を提案。基本的なリフォーム以外に空室対策として何ができるのかを考えました。
■まずは、「入居者ターゲット」を決める
室内の修繕を行う場合、「どんなリフォーム内容にするか」を決める前に、「どんな入居者をターゲットにするか」を決めることが重要です。立地や間取り、家賃などからどんな入居者に住んでもらいたいかを考えます。男性か女性か、学生か社会人かなどを決めいきます。今回のマンションは、鉄筋コンクリート造で4階建、幹線道路に近い立地で、居室はあまり広くはありませんが、フロ・トイレはセパレートタイプのマンションです。対象の部屋は1階で、駐車場も確保できることから、入居者のターゲットを社会人・男性と定めました。
■収納を解体し、テレワーク用スペースを新設
社会人・男性をターゲットとしましたので、その生活スタイルを想像し、社会人の男性が、部屋に求めるものは何かを考えました。そして、このコロナ禍で増加した「テレワーク」にポイントを置き、部屋づくりをすることに決めました。この部屋は居住スペースの割には、幅の広い大きな収納がありましたので、その半分を利用し、作り付けの机を新設。ダウンライトやインターネット設備、パソコン用のコンセントも増設し、「テレワーク=仕事空間」を作りました。もし女性がターゲットであったとしたら、壁付けの化粧鏡を設置して「ドレッシングスペース」を作ったかも知れません。
■狭い空間を広く見せる工夫
居室とキッチンを仕切っている建具もかなり傷んでおり、交換が必要でした。新しい建具に交換するだけでも十分見違えるように綺麗になりますが、今回は空間が広く見える提案をしました。それは、建具を高くする方法です。壁クロスを交換するあたり、建具の枠を取り外し、180cmだった高さを200cmまで広げました。それと同時に床レール式だった建具を吊り下げタイプに変更し、フロアのつなぎ目をなくして一体化しました。高さを上げて縦の空間を広げ、床のレールをなくすことで水平面の横の広がりを演出しました。工事金額は少し予算をオーバーしましたが、印象度は一気にアップし、家賃を4000円アップしたにも関わらず、リフォーム完成後1カ月以内に申込が入りました。
大がかりなリフォームやリノベーションを考える場合、ただ単に設備を新しくしたり、部屋を綺麗にすればいいというものではありません。まず一番に考えないといけないのは、「どんな入居者をターゲットにするのか」です。そしてターゲットとなる人物の生活スタイルを想像し、リフォーム・リノベーションの仕様を決めていきます。さらに賃貸条件や賃料の見直しも同時に考えていきますが、リフォーム内容によっては今回のように賃料をアップしても入居が決まるのです。
プロパティマネジメント課では様々な角度から「入居者から選ばれる部屋つくり」を考え、各々の物件に合った空室提案を行っています。また今までのリフォーム実例の紹介、リフォームを行った場合の収支の検証、リフォームローンのご提案なども承っております。お気軽にお問合せ下さい。
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