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新型コロナをきっかけに、「相続」を考える 。今、やっておくべき事とは?

2020.06.26

新型コロナウイルスへの感染により、3月には志村けんさんが、4月には岡江久美子さんが亡くなられました。テレビを通して身近に感じるお二人の訃報は、私たちにはたいへんショックでした。また、当初は高齢者や基礎疾患のある方が重篤化しやすいと言われていましたが、5月には大相撲の勝武士関が28歳の若さでお亡くなりになるなど、年齢や健康状態に関係なく、死について改めて考えざるを得ない状況になってきています。

■新型コロナをきっかけに、「相続」を考える

新型コロナウイルスに感染しても、その多くは無症状もしくは軽症ですが、重篤化すると短い期間で死に至るケースもあるようです。「もしも、新型コロナにかかってしまったら・・・」と、未知の病への不安とともに、残される家族のことを考えたという方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、「誰にどの財産を残そうか?」「相続税はちゃんと払えるかな?」など、いろいろ考えてはみるものの実際に行動を起こすには至っていない方が大半だと思います。
このように、今後もいつ誰が感染するか判らない状況の中、相続税対策よりも重要なことがあると私は考えています。それは「想いを遺す」ことです。

■「想いを遺す」=遺言

遺言書には、どの財産を誰に残すかを書いていきますが、その内容は、特別受益や遺留分など民法に基づく決まりごとも考慮しておかなければなりません。また、遺産を譲り受けた方が相続税の納税に苦労しないように、遺言書通りの遺産分割が行われた場合の相続税の納税についても、考えておく必要があります。
しかし遺言書には、遺産分割以外に書くことができます。それは、「付言事項」といわれるものです。「付言事項」には、家族に対する感謝の気持や、自分亡き後の家族の幸せを願う気持を綴ります。またなぜこような財産の分け方をしたのかを書き残します。
一般的な病気であれば、病気にかかってからでも遺言書を作成する時間もあるだろうし、家族と直接話して自分の気持を伝えることも可能でしょう。しかし「新型コロナウイルス」に罹ってしまうと、面会さえ叶わないことになります。この機会に、「財産を残す」だけの遺言書ではなく、家族への「想いを遺す」遺言書の作成を始められてはいかがでしょうか。

■高齢者とはまた違う、現役世代の相続

30~40歳代の現役にとって、自分が亡くなった場合の相続を考えることはまず無いと思います。マイホームをお持ちの方でも、購入時に住宅ローンを組む場合、団体信用生命保険に加入されてる方がほとんどです。ですから万が一の場合、残された配偶者が住宅ローンの残債を支払うことはありません。その意味でも遺言を書いておく必要もあまり無いでしょう。
しかし、ご夫婦に子どもがいない場合はどうでしょうか?子どもがいないご夫婦に相続が発生した場合、遺言がなければ法定相続分での遺産分けになります。親が健在であれば、配偶者3分の2、親3分の1の遺産分割です。親が無くなっている場合で、兄妹姉妹が法定相続人の場合は、配偶者4分の3、兄妹姉妹4分の1の遺産分割です。もしマイホームが主な財産だとすると、マイホームを売却して現金に変えて分割しなければならないケースも出てきます。残された配偶者は、被相続人が遺してくれたマイホームさえ手放さざるを得ないことになりかねません。
このように、現役世代の相続は、高齢者の相続とはまた異なるケースが出てきます。子どもがいないご夫婦の場合、遺言書で親の遺留分を考慮する、兄弟姉妹については、遺言書で配偶者へ財産を残すことを書くことで、兄弟姉妹に財産を渡す必要はありません(兄弟姉妹に遺留分はありません)。このような状況を考えても、やはり遺言書は作っておく方がいいでしょう。

■ご家族で相続の話をするきっかけに

新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、自宅にいる時間も増え、ご家族と話をする機会も多くなったと思います。また遠方にいるご両親などとは、今までのように気軽に会えない状況で、お互いを思う気持がより強くなったのではないでしょうか。「今すぐ遺言を作る」のは、気持ち的にハードルも高いと思いますが、その準備段階として、まずは配偶者や子どもたち、ご両親に対する思いを何かに書き留めてみてはいかがでしょうか。その上でご家族と今までのこと、これからのことを話し合ういい機会になればと思っています。

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皆様のご参加、お待ちしております。

 

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芳野 裕志
株式会社日本エイジェント 資産運用事業部 相続コンサルティング室

芳野 裕志

相続対策や資産承継など、オーナー様ごとに熟考し、最適な方法を見つけてご提案させて頂ければ、資産運用の有効な方法になります。オーナー様と同じ方向を向いて考えていくことで、オーナー様やご家族にとって最適なご提案をすることが、私の仕事だと考えています。

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