令和4年度分の路線価が、2022年7月1日に国税庁より発表されました。
■「路線価」の決め方・使い方
主に市街地において、その地域の道路(路線)に評価が付けられており、その路線に面する宅地の1㎡当りの評価額を「路線価」と言います。
「路線価」は、主に土地の相続税や贈与税を算定する場合の評価の基準となり、毎年1月1日時点の路線価が、7月1日に国税庁より公表されます。
相続税や贈与税を算出する場合は、相続や贈与があった年の路線価を基準にします。例えば、2021年12月に相続が発生した場合、相続税申告が2022年になる場合でも、2021年度の路線価を使って計算します。また、2月に相続が発生したケースについては、その年の路線価が7月1日に発表されるまで、相続税の申告ができないということになります。
■「路線価」を使った相続税の土地評価の計算方法
土地を相続した場合、その相続税評価は路線価を用いることになります。
路線価を使った土地評価の計算方法は、次の式にあてはめる事ができます。
「土地の相続税評価額=相続税路線価×地積(㎡)× 各種補正率」
補正率とは、その土地の特性(地形、接道、高低差など)を考慮し、その補正係数が決められています。
例えば、路線価が1㎡当り30万円で、地籍100㎡の土地を相続したとすると、相続税評価額は、30万円×100㎡×補正率=3000万円×各種補正率 ということになります。
具体的な地域別の路線価図等については、国税庁のホームページをご覧ください。
※国税庁ホームページ(https://www.rosenka.nta.go.jp/?_fsi=1eTdxUX6)
また、インターネットで調べるのが難しいという方は、税務署で確認する事も可能です。全国の国税局や国税事務所、税務署にある路線価図を見れば、誰でもご自身がお持ちの土地の路線価を確認することができます。
■【2022年の路線価動向】全国の平均変動率はプラス転換に!
2022年の路線価動向を見てみると、全国の平均変動率はプラス0.5%で、前年のマイナス0.5%から上昇に転じました。全国の路線価の最高価格は、16年連続で東京都中央区銀座4の「山野楽器銀座本店」。1平方メートル当たり5300万円で、前年より60万円下がっていました。この土地は、路線価の発表時期には必ず話題に上がる場所です
また、東京都では、大きな商業地よりも、住宅地が多い区を中心に上昇している傾向にありました。特に、再開発や区画整理が進んでいる地域で上昇しています。これは、テレワークなど、働き方の変化に伴う住環境の見直しから、都心から少し離れた郊外の住宅地に対する需要が高まったことが要因と考えられます。
■【地方エリアの傾向】再開発が盛んな札幌市周辺が堅調!
地方エリアの全用途平均はプラス0.5%となっています。上昇率のトップは、住宅地と商業地いずれも北海道となっており、住宅地26%、商業地19.6%と圧倒的な数値を記録しました。
住宅地では、上昇率ランキング100位中96地点に北海道内の地域がランクインしており、再開発が盛んな札幌市周辺は、コロナ禍においても堅調な住宅地需要があることを表しています。地方の上昇率がプラス0.5%という結果になったのは、札幌市、仙台市、広島市、福岡市がプラス5.8%となったことが要因であり、これら4市を除く地域の数値ではマイナス0.5%になります。新型コロナウイルスの影響は依然として根強く、地方では回復傾向には程遠いように感じられます。
■【地方エリアの傾向】四国の路線価は!?
四国の路線価はマイナス0.9%で、30年連続の下落となりました。
四国の26拠点の税務署の最高路線価のうち、前年から上昇した地点はなく、横ばいが6地点、下落が20地点。下落率で見ると、愛媛1.1%(同1.4)、香川0.9%(同1.1%)、徳島0.9%(前年1.3%)、高知0.4%(同0.9%)でした。
四国26拠点の税務署の最高路線価のうち、最も高かったのは松山市。大街道2丁目の大街道商店街で前年と同じ66万円と、8年連続の1位でした。2位は、高松市。丸亀町の高松丸亀町商店街で35万円(前年比マイナス2.8%)。3位は、徳島市。一番町3丁目の徳島駅前広場通りで前年と同じ29万5000円。4位は、高知市。帯屋町1丁目の帯屋町商店街で前年と同じ21万円でした。
不動産を所有するオーナー様にとって、「路線価」は資産の売却や組み換え、贈与を使った事業承継や将来の相続税の試算など様々な場面で必要となるとても重要な「数字」です。所有されている不動産の路線価は、常に把握しておきたいものですね。また、「土地・建物の相続や贈与」については、日本エイジェントにご相談ください。
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